マインドフルネスって何ですか?
ネットや本で調べたけどわかりづらい。
どうやら瞑想みたいなことするらしいんだけど、、、
ひとことで言うと、
マインドフルネスとは
「客観的な気づき」のことです。
それを深めるために瞑想などの
注意力のトレーニングを行います。
この記事では
マインドフルネスの「意味」や
「具体的な効果」についてわかりやすく説明していきます。
マインドフルネスは こんな人におすすめ
・「考えても仕方ないのに過去のことでずっとくよくよと自分を責めたり、後悔し続ける」
・「まだ起こってもいない未来のことが頭から離れず、不安や緊張が抜けない」
・「体の痛みや不快感が気になってストレス」
・「うつ病が再発してしまわないか不安」
・「感情のコントロールができない」
どうでしょう。
ほとんどの方がどれかひとつは
当てはまるのではないでしょうか。
そんな方々のためにこの記事を書きましたので、
最後まで読んで頂けると嬉しく思います。
自己紹介
・精神科勤務(現在15年目)
・臨床心理士(兼 公認心理師)
・マインドフルネス歴3年
・マインドフルネスの多数の書籍を読み、講座を複数受講
・MBSR「マインドフルネス・ストレス低減法」=8週間の正式なプログラムに参加
・5日間連続の瞑想体験(朝から夕方まで)である5days retreet参加
マインドフルネス 意味
まず結論から言いましょう。
大きく分けて2つの意味があります。
ひとつは、
本質的な意味=「気づき」や「心の状態」
なので「マインドフルネスを深める」と言ったりします。
これだけだと「なんのこっちゃ?!」ですよね(笑)
もうすこし付け加えると、
思い込みや決めつけを排して、
真実をありのままに観ているときの心の状態(セルフモニタリングに近い)であり、
そのときに現れる「気づき」です。
私は本格的にマインドフルネスを学び始めてから
2ケ月くらいは意味がチンプンカンプンでした。
ただ、
意味がわからなくても正しく実践すれば確かな効果はあるので大丈夫です。
゛意味は実践する中でだんだん分かっていけばいい ”と考えて、
むしろ最初のうちはあまり頭だけで分かろうとしない方がいいかもしれません。
実際、いろんな研修やプログラムに参加しましたが、
マインドフルネスの意味について詳しく解説されることはなく、
とにかく実践、実践、実践。
そのなかで意味を掴んでいくよう
経験を通して理解していくよう誘導されました。
瞑想やワークなどの「体験」や「実践」を通して、
ご自分のペースで掴んでいっていただければと思います。
一方、
もうひとつの意味は
名称的な意味=トレーニングの名前です。
使い方としては「マインドフルネスやってる?」「マインドフルネスやったことある?」みたいに使われます。
この「気づきを深めるためのトレーニング全般」を指して
そう呼んでいます。
この2つの意味、というか2つのニュアンスがあることが
初心者の混乱を招いています。
なので、
A)本質的な意味(抽象的でわかりづらい)
と、
B)名称的な意味(トレーニングの名前)
がある。
これを頭に入れておくだけで、
マインドフルネスの正しい理解に役立ちます。
今の段階では
「ふ~ん、そんなような意味なのか」「2つの意味があるのか」と
ぼんやり押さえておくだけで大丈夫です。
元祖マインドフルネス
ところで、
自己紹介のところにも書きましたが、
様々なマインドフルネスのトレーニングの中に
「マインドフルネス・ストレス低減法(=MBSR)」という8週間の正式なプログラムがあり、
これが元祖マインドフルネスです。
本来このプログラムのことを指してマインドフルネスと呼んでいました。
つまり、
厳密には3つのことを指しているんです。
そりゃあ混乱するわ(笑)
だから2つの意味があると、捉えてもらえたら充分です。
そこから派生して、
マインドフルネスの考え方を取り込んだヨガ「マインドフルネスヨガ」や、
マインドフルネスのニュアンスを基にした呼吸への注意の向け方「マインドフルネス呼吸法」、
身体に注意を向ける「ボディスキャン」といったものが
それぞれ単独で医療や教育、リラクゼーション、
ビジネスシーンなどのあらゆる分野の人や世界中に広まっていきました。
元祖のMBSRを知っている私からすると、
パッケージを小分けにした物が「これぞマインドフルネス」みたいに
先に広まっていったようなイメージです。
くり返しになりますが、
マインドフルネスという「客観的な気づき」を育むことが含まれた瞑想やトレーニング全般を、
マインドフルネスと呼んでいる方が多いのです。
マインドフルネス 効果・メリット
意味はぼんやりわかったけど、
どんな効果があるの?
ストレスを減らす効果が
科学的に証明されていることは有名です。
でも、それだけはありません。
本当にびっくりするくらい
さまざまな効果があるんですよ。
それをいくつか紹介しましょう。
たとえば
アップル社の創業者スティーブ・ジョブズが瞑想をしていたことは有名ですし、
日本では脳科学者の茂木健一郎さんやメンタリストのDAIGOさんもYoutubeで紹介しています。
さて、
メリットや効果について羅列すると以下の通りです。
「ストレス低減」
「うつ病の再発予防」
「集中力アップ」
「記憶力アップ」
「感情のコントロール」
という代表的な効果からはじまり、
「慢性疼痛」(抗炎症作用向上)
「免疫機能の向上」
にも効果があります。
アップル社ではスティーブ・ジョブズが提唱して
「創造力の向上」という目的で、
社内でマインドフルネス瞑想を取り入れていたことも有名です。
さすが新しいものをどんどん創造しているアップル社ですね。
「自分に優しくなる」
一方、
わたし個人の感想としては、
何よりも自分に優しくなりました。
これは
マインドフルネス瞑想中の自分自身に向けられるまなざしが、
「より客観的で、自由だから」です。
つまり
「自分のなかにある勝手な価値観で、良い悪いという判断をせず、ありのままに観察する」
という柔軟な態度や心構えが身についたからだと思っています。
この優しいまなざしは、
自分に対してだけではなく、他人に対しても向けられます。
「思い込みや決めつけが減る」
だから、
他人に対する思い込みや決めつけも減って、
イライラやストレスが大幅に減りました。
このことは
私のカウンセリングのスキルや心構えにも大きな影響を与えたので、
心の専門家、対人援助職の方々全員に勧めたいくらいの強い気持ちがあります。
手段としての瞑想
さて、
マインドフルネスの実践では基本的に「瞑想」をします。
瞑想という言葉自体になじみがない方も多いと思うので
たとえば呼吸に対して注意を向ける、
といったように
「ひとつのことに意識を向け続けるトレーニング」
だとひとまずイメージしておいてください。
「目的」は客観的な気づきを深める、自分を客観的に観察すること
「手段として」というのは、
思いこみや決めつけを排除した、
客観的な気づき(=マインドフルネス)を深める目的で瞑想を「用いる」という意味です。
「手段」「方法」が瞑想などの注意力のトレーニング
いいかえると、
目指すべきゴールが「気づき」で
そこにたどり着くための手段、方法が「瞑想」なのです。
その瞑想自体をマインドフルネスという「名称(名前)」で
呼ぶようになってしまったことで
混乱が起きている
と思っています。
「マインドフルネスを深めるために、マインドフルネスを行う」
ってなってしまいますから。
そうではなく、
マインドフルネスというのは「気づき」そのもののことです。
この言葉の整理ができるまでに、
私は2年もかかってしまいました(笑)。
だから、
これを分かりやすくするために
このトレーニング名を「マインドフルネス瞑想」と呼ぶ人がいます。
※造語です。
なるほど、と思いました。
今からトレーニングを表すときには
「マインドフルネス瞑想」と表現することとします。
あらためて、
「手段としての瞑想」という表現は
マインドフルネスをより正確に理解するための、
重要なポイントです。
頭の片隅に置いておいてください。
マインドフルネス瞑想ではどこに注意を向けるの?
マインドフルネス瞑想では
「注意を向ける対象」のことをアンカーと呼びます。
そのアンカーがいくつもあって、
その対象の数だけ瞑想の種類もあります。
呼吸に注意を向ける「呼吸瞑想」、
身体の部位ひとつひとつに注意を向ける「ボディスキャン」、
身体の動きやその感覚に注意を向ける「マインドフルネスヨガ」、
食べているものに注意を向ける「食瞑想」、
音に注意を向ける「音瞑想」などです。
そして
自分がどこに注意を向けやすいかによって、
自分で瞑想をチョイスすることもできます。
(正式なプログラムではすべてやります)
私は職場で座っているときは呼吸や音に注意を向け、
歩いている時には足の裏の感覚に、
食事の時には食べているものに対して注意を向けて、
日常の中にマインドフルネスを取り入れています。
それをマインドフルに過ごす、と言ったりします。
マインドフルネス やり方
さて、
頭の中がごちゃごちゃしてきていると思います。
能書きはこのくらいにして、
マインドフルネス瞑想を実際に体験して
その感覚をつかんでもらいましょう。
私が自分の職場で患者様やクライエントさんにお伝えしている、
私のYoutubeの音声ガイドを置いておきます。
(かなり恥ずかしいけど。。。)
まだ駆け出しのころのガイドなので
分かりにくい点もあると思いますが、
静かな、集中できる環境でやってみてください。
いかかでしたか?
呼吸瞑想と音瞑想という2種類の瞑想を行いました。
「こんなんで本当にストレス減らせるの?」と思った方もいれば、
「なんか落ち着いた」と思う人もいると思います。
実はマインドフルネス瞑想はリラックスが目的ではないので、
リラックスしないことに裏切られたと感じる人もいるかもしれません。
理由は違う記事で詳しくお伝えしたいと思います。
私としては、
マインドフルネス瞑想のイメージをつかんでもらえれば今回は充分です。
マインドフルネス 書籍紹介
ここまでの話で
マインドフルネスに興味を持ってくださった方もいるかもしれません。
そうなると
「おすすめの本はないの?」という声も聴こえてきそうなので、
1冊だけ紹介しておきます。
『自分でできるマインドフルネス』
マーク・ウィリアムズ、ダニー・ペンマン著(創元社)
この本は
私がMBSR(=マインドフルネス・ストレス低減法)という正式なプログラムにまだ参加できなかった時に、出会えてとてもうれしかった本です。
なぜならマインドフルネスの理論的な説明だけではなく、
その具体的な方法についてCDの音声ガイドで実践しながら
本番に近いかたちで体験できるからです。
なお、この本ではまさに元祖マインドフルネスである
実際のMBSRの8週間のプログラムどおりに
どんな順番で何をすればいいのか、
マインドフルネスとは何かということが
分かりやすく記されていますので、
興味がある方はぜひ購入して実践してみてください。
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まとめ
初めての方にもなるべくわかりやすいように、
マインドフルネスの2つの意味について説明しました。
そしてマインドフルネスとは「客観的な気づき」であり、
それを深めるための「手段」として、
瞑想という集中力のトレーニングがあること。
さらには、
その効果、効能、具体的な実践方法、お勧め書籍についてご案内しました。
正直、1か月、2ケ月と
根気強く継続してやってみないと分からないことも多いです。
この記事だけでは、
私の中ではまだ30%くらいしか説明できていない感じです。
それでもその先にある、静かで深遠な世界。
ストレスをコントロールできる、自由な世界。
それを伝えたくて、その入口で私なりにご案内してみました。
少しでもマインドフルネスについて知る機会になっていたら幸いです。
ご意見、ご感想など気軽に伝えて頂けると嬉しいです。
これからは
もっと具体的な実践について
いろんな角度からマインドフルネスの輪郭が分かるように
いろんな記事を書いていく予定です。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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